そのへん、なんかテキトーに。

独立開業から丸一年。年中無休のはずが毎日が夏休み?

自分がなりたい職業に学歴は必要か

自分がまだ子どもだったころ、世の中にはいろんな職業があるってことを教えてくれる人はいなかったように思います。田舎で育ったボクにとっては、思い描ける未来って、実は職業の面からはあまり選択肢はありませんでした。大学に行くときも、何か明確な目標があったわけでもなく、「やりたいことをみつけるために」進学を選んだってカンジです。4年過ぎた後、履歴書の学歴欄に「大卒」と書くことができるようになりました。


当時のボクは奨学金をもらいながら大学に通っていたのですが、これが借金であるという感覚はまったくなく、生活費がもらえてラッキーっていう程度の感想でした。まぁ卒業と同時に返済が始まり、現実を知ることとなってしまいましたが。ボクは社会人になってもダラダラしていたせいで、この奨学金の返済に親の助けを借りました。情けない…。子どものころに思い描いていた未来予想図はないに等しかったせいか、大学在学中にもやりたいことは決まらず、とりあえず就職という選択をした程度です。その後職を転々として、今の司法書士という道を目指すことになります。


さて、前回社会福祉制度についていくつか触れたのですが、母子家庭などひとり親家庭を対象に修学資金の貸付を行う制度があるそうです。奨学金と似たような制度ですが、貸付というからには借金です。いずれ返済が始まります。社会に出ると同時に借金数百万円という世界です。余程の覚悟がなければマイナスから始まる社会人生活を乗り切ることはできないでしょう。ボクには無理でした。経済的に苦しい家庭のお子さんたちの中にも、大学に行きたいと思う方は多いと思います。明確な目標やなりたい自分が見えている人は、「借金」をしてでも大学に行く価値はあるかもしれません。


ところでボクは、自分が子どもの頃には存在自体をまったく知らなかった職業である「司法書士」になったわけですが、これになるためには年に一度行われる国家試験に合格する必要があります。でも、この試験には受験資格がありません。誰でも受験可能です。義務教育しか受けていない人でも、しっかり準備すれば合格できます。大卒の学歴があっても外国語に堪能でも優遇されません、当然ですが。


法律知識って弱者のためにこそ必要です。ひとり親家庭を例に上げましたが、経済的に苦しい人たちが貧困から抜け出すには厳しい現実が存在します。もしその家庭のお子さんたちが法律を学んだなら、その苦しい状況を「自分の手で」打開することができるかもしれません。人は、自分が想像できる範囲の人間にしかなれないそうです。自分だけでなく他人を助けられる自分を想像できたら、もしかしたら、もっと素晴らしい人生が待っているのかもしれません。